顧客本位の商品性を有するファンド(の問題点)
今日、下のような記事を目にしました。
記事のリンク:顧客ニーズに応えた、顧客本位の商品性を有する今年設定の3ファンドをご紹介
記事を読んでビックリしました。なぜなら、ここで紹介されている3つのファンドは、以前にこのブログで問題点を指摘したものだったからです。
もういちど、関連ブログのリンクとポイントをまとめました。皆さんにも考えて頂ければ幸いです。
1.ストップライン付き野村ワールドボンド・ファンド(野村アセット)
これは損失限定型と呼ばれるもので、アムンディが運用している「あんしんスイッチ」というファンドと類似しています。基準価格が下落して一定値に達したら償還され、損失を限定的に食い止めるというものですが、償還された資金はどうすればいいのでしょうか?また同じような損失限定型の投信を買いますか?
関連ブログのリンク:損失限定型の投資信託(あんしんスイッチ)
また記事では、このワールドボンド・ファンドの特色として、外国債券の組入れ比率に応じて運用管理費用を変動させると紹介されています。しかし、現時点の組入れ比率に基づくと、運用管理費用は保証料と合わせて0.98%程(税込み)となり、結構高い感じがします。
2.ライフジャーニー/人生100年時代・世界分散ファンド(三井住友アセット)
これは資産を取崩しながら生活資金に充てるというシニア向けに販売されているようですが、手数料が高いのがきになります。また、このようなシニア向けに必要な金融サービスは、手数料の高い分配型投信を提供することではなく、手数料の安いファンドで運用しながら、それを各顧客のニーズに応じた方法で取り崩すサービスを提供することではないかと思います。
関連ブログのリンク:シニア向けに必要な金融サービスとは?
3.ゴールドマンサックス社債/国際分散投資戦略ファンド(アセットマネジメントOne)
やっぱりこれが出ますか…という感じです。元本割れを恐れる顧客のニーズに応えるということなのでしょうが、その答えがこのファンドというのは残念です。「国際分散投資」という見せかけのネーミングで、ゴールドマンサックスの信用リスクの塊である商品を「元本確保型投信」として販売するのはどうなんでしょう。
これだったら、孫さんのソフトバンク社債を買う方がよっぽどロマンがあるような気がしますが…..
関連ブログのリンク:元本確保型投資信託を検討中の皆さんへ
この記事を書かれたのが、三菱アセット・ブレインズという運用会社側の方なので、このような内容になったのだと思いますが、どうも「顧客本位」からは、ずれているような気がします。
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