お金をまわそう基金のセミナー参加報告
昨日(8月24日)、公益財団法人お金をまわそう基金が主催するセミナーに参加しました。
テーマは、「子ども虐待のない社会を実現するために必要なこと」ということで、お金をまわそう基金が助成しているNPO法人タイガーマスク基金とタイアップして開催されたものです。
子供の虐待問題というと、最近では目黒区の船戸結愛ちゃんが虐待によってなくなった事件を思い起こす方も多いと思います。このような痛ましい事件が起きると、虐待をする親に対する非難や児童相談所などの行政の対応に問題は無かったのか、というような報道をよく目にしますが、社会全体で世の中の幼い子を抱える家庭を支える気持ちが必要なのだと感じました。
虐待をなくすためには、法制度や行政の支援体制の整備ということだけではなく、日頃から自分の周りの子供たちに対する目配りや親子連れと道ですれ違う時には微笑みかける、ということを通じて子供とその親が周りから支えられていると感じてもらえるようにすることが大事なのだというお話がありました。これなら私にもできそうなので、さっそく実行したいと思います。
セミナーの最後に、お金をまわそう基金の代表理事である澤上篤人氏の話がありました。澤上氏はさわかみ投信の創業者としてご存じの方も多いかと思いますが、寄付によって世の中のお金を必要としている人たちに回せば、大きな経済効果が期待できるというお話をされました。日本の家計が保有する現預金1000兆円のうち2%の20兆円が寄付を通じて消費にまわれば、3%を超える経済成長となるというのです。
寄付は良いことだと分かってはいても、お金をあげるだけで見返りは期待できないということでためらっている方、それは誤解です。寄付も投資と同じようにリターンはあるのです。したがって、さわかみ投信の会長が、寄付を募る公益財団の代表理事であるということは至極自然なことなのです。ちなみにこの財団の理事には、セゾン投信の中野社長も名を連ねていらっしゃいます。
日本人の寄付に対する関心は、他国と比較して低いと言われていますが、もっと関心を持ってもらえるように、お金をまわそう基金には頑張って欲しいと思いました。一つ気にかかることは、社会課題に取り組む団体が自治体とタイアップして、ふるさと納税の制度を活用することによってファンディングをする動きが広がってきているということです。ふるさと納税を活用すると2千円の自己負担で済むという、その税制優遇の特例制度のために、通常の寄附控除が適用されるお金をまわそう基金よりも、お金を集めやすいのではと推測されます。ふるさと納税も寄付の一つの形であるので、いいのかもしれませんが、、、
ふるさと納税で3万円寄付すれば通常2万8千円が還付されますが、お金をまわそう基金に3万円寄付した場合は11,200円(3万円から2千円を控除した額の40%)しか還付されません。ふるさと納税による寄付の場合は、実質的な負担者が国と寄付者が住む自治体ということになります。その良し悪しに関しては、また機会を改めて考えてみたいと思います。