公的年金の繰り下げ vs トンチン年金

日経電子版の記事より

人生100年時代の年金戦略 カギは繰り下げと厚年加入 : NIKKEI STYLE https://style.nikkei.com/article/DGXMZO25359070V00C18A1PPE000?channel=DF280120166591

人生100年時代、長生きリスクに対する備えとして公的年金の繰り下げと、民間の保険会社が販売しているトンチン年金という商品を紹介する記事をよく目にします。この記事の中では、70歳以降に支給されるそれぞれの年金額を比較して、公的年金の繰り下げの方を推奨しています。私もそれに賛成ですが、いくつか補足の説明をします。

  • 公的年金に関しては、もらえないとか、破綻するというイメージを持っている方が少なくないと思いますが、これは政治家や一部のメディアを通じて植え付けられた誤った見方です。上の記事の最後の方で解説されている通り、政府が5年に1度行っている年金の財政検証によると、所得代替率は将来低下しても、年金の実額は物価の上昇に対して減らないということが示されています。
  • 上で述べたとおり、公的年金は物価の上昇に対して連動しますが、トンチン年金の年金額は物価が上昇しても変わりません。トンチン年金はインフレリスクに弱いのです。
  • トンチン年金は50歳~70歳の20年間で1200万円という保険料が必要ですが、それならこの保険料と同じ額を積立て運用して、70歳までの生活資金として使い、70歳から繰り下げた年金をもらう方が良いのではないでしょうか。
  • 公的年金を繰り下げすると年金額が増額されますが、サラリーマンであった夫と専業主婦の妻という世帯では、夫が先に亡くなると、夫の老齢厚生年金の代わりに、遺族厚生年金が支給されますが、遺族厚生年金は繰り下げによる増額をする前の老齢厚生年金の4分の3なので、繰り下げによる増額の恩恵が小さくなってしまいます。事前に夫が亡くなった場合に妻がもらえる年金額を確認しておくと良いでしょう。
  • トンチン年金についても、夫と妻のどちらが加入するかによって、年金がもらえる状況が異なってくるので、注意が必要です。

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