アクティブ投信の役割
日経電子版の記事より
「心ときめく企業に長期投資」 コモンズ投信の渋沢氏 : NIKKEI STYLE https://style.nikkei.com/article/DGXLASFL04HXB_V00C17A9000000?channel=DF150620172611
「長期・積立」投資を提唱する渋沢氏の思いをまとめた記事です。ちなみに、この渋沢氏とセゾン投信の中野氏、レオスキャピタルワークス(ひふみ投信)の藤野氏の三氏は「つみたて三兄弟」というユニットとして活動しているようです(中野氏談)。
さて、記事の内容は「長期・積立」の効用とアクティブ投信の意義について語ったものですが、最後の方で、日銀のETF購入についての批判があります。「頑張っていない企業の株が、指数に組み込まれているという理由で買われるので、その企業の株価が過大評価されてしまう。」と。
このような日銀のETF購入に対する批判は、よく目にするもので、その通りと感じるところもありますが、実はこの日銀に対する批判は、インデックス投資(パッシブ投資)そのものに対する批判と見ることができるのではないかと思います。つまり、現在金融庁の旗振りのもと「長期、積立、分散」による資産形成を促進しようという中で、対象商品としてはインデックス型投信を中心に推奨されていますが、それでいいのだろうかという問題意識です。
一方、同じ記事の中で渋沢氏自身は、個人では日経平均に連動する投信の積み立てを実践していることを述べている部分があり、おもしろいと感じました。まあ、投資の入門はインデックス投信で、少し慣れてきたらアクティブ投信も検討するという感じでもいいのではないかと思います。ちなみに、小生は日本株のアクティブ投信をいくらか保有していますが、そのメリットとして以下の3点があげられます。
- ファンドマネージャーの運用に対する哲学や考えを、セミナー等を通じて生で聞くことができる。
- 投資先企業を集めた独自のIRフェアのような催しがあり、投資先企業の事業について、社長の講演を聞いたり、IR担当者と直に話ができる機会が設けられている。
- 投資先企業の工場などを見学するツアーに参加できる。
このようなメリットは、多少高い信託報酬に十分見合ったものであると思うし、肝心なリターンに関してもインデックスを上回っているので、来年から始まるつみたてNISAでは、是非アクティブ投信にも目を向けて欲しいと思います。