「お金のEXPO」に行ってきました
昨日(10月22日)、マネーフォワード社主催の「お金のEXPO」というイベントに行ってきました。9時半から19時半までのまるまる1日をセミナーや出店している金融業者の話を聞いたりして過ごし、とても楽しく、FPの私でも勉強になることがありました。以下、簡単に報告します。
イベント全体の雰囲気など
- 悪天候と選挙が重なった日でしたが、新高輪プリンスホテルの会場には多くの方が来場していました。年代も20~30歳台といった若い人達の比率が高かったような気がしました。以前に行ったことがあるモーニングスター社主催の「投信EXPO」では、50~60歳台といった高齢者が多かったので対照的でした。
- 出店していた業者の中では、不動産投資の仲介業者が4社あり、若い世代の方の関心の高さがうかがえました。私は、REIT以外の不動産投資は経験がないので、一般的なアドバイスしかできないのですが、投資商品として提供されている以上、投資物件の価格に関する情報は、年1回で十分だと思いますが定期的に顧客に提供した方が良いのかなぁと感じました。現状では、請求が無いと提供していないようです。また、不動産投資の仲介業者を管轄しているのは国交省ですが、金融庁の顧客本位の業務運営の原則は、不動産投資にもあてはまるのではないかと思いました。
- イベントの幕開けとな基調講演は、昨年同様大前研一氏でした。昨年は、ご自身の趣味の話が多く、個人的には興味がなかったので、氏の講演中は出展ブースを見て回っていました。ただ、会場のスピーカーを通じて話の内容は聞こえていましたが、なんか「年金なんて信用ならないからあてにしないで、自分で資産形成をしなさい」みたいな話が聞こえてきたので、あいかわらず適当なことを言っているなぁと感じました。来年は、できれば違う方の講演を聞きたいです。
参加したセミナーの感想
たくさんのセミナーが同時並行で開催されていましたが、私が参加したセミナーについての感想を述べます。
- 投資のプロが教える資産づくりのはじめ方
講師は、今人気のひふみ投信を運用する藤野氏でした。具体的なひふみ投信の運用の話ではなく、投資とは何かというようなお話でした。その中で、店などで買い物したり、サービスを受けたら、「ありがとう」と言うことも投資になる、という話が印象に残りました。お客から感謝される→働くことが好きになる→会社が好きになる→会社を応援する投資が好きになる、という好循環が生まれるということだそうです。私も、投資の精神論的な部分がもっと語られるべきと考えていますが、著名なファンドマネージャーが話せば影響力は全然違うので、とても良い話だと思いました。 - これからの資産運用
講師は、マネックス証券の松本社長でした。もともと、外資系金融機関でトレーダーとして活躍されていた方なので、話の内容もノーベル賞で注目を集めている行動経済学の話を織り交ぜた、トレーディングチックなものでした。松本社長がマネックス証券を立ち上げた時には、個人投資家が勝てるのは長期投資のみで、信用取引は提供しないというお考えだったので、私も応援していました。しかし、その後時が経ち、マネックス証券は何でもありの普通のネット証券になってしまいました。残念ですが、仕方ありません。 - 住宅ローンの賢い選び方・返し方
モゲチェックというサービスを提供している会社の塩澤社長による講演でした。住宅を購入すると、購入した不動産業者が提携している銀行のローンを利用するケースが多いということですが、この会社は、他の銀行のローンと比較して、最も返済額が少なくて済むローンを仲介してくれるということです。利用者は、モゲチェックが仲介するローンと不動産会社の提携ローンを比べて、有利な方を契約すればよいという訳です。そして、成約に至った場合は、手数料(ローン元本の1%)を支払います。このサービスを利用する場合、繰り上げ返済の予定があれば、それを考慮した返済額を比較する必要があると思います。でないと、返済額のメリットより手数料が多くなるという残念な結果になってしまいます。 - ねんきん定期便でズバリわかる保険の節約&活用術
FPの前野氏による講演で、公的保障をしっかり理解した上で、民間保険を利用しましょうという内容でした。この講演で面白かったのは、冒頭で出されたクイズです。子供二人の30歳の夫婦で、夫が亡くなった場合、妻が生涯を通じて受け取れる遺族年金の総額はいくらでしょうというクイズですが、選択肢が500万円、1500万円、3000万円、5500万円と与えられたのですが、正解の5500万円と回答した人の数は一番少なかったようです。公的保障が過小評価されているのが端的に現れたものだと思います。 - 投資のプロと語るこれからの相場展望と資産づくり
元祖長期投資家の澤上氏とひふみ投信の藤野氏による対談でした。モデレーターは、マネーフォワードの辻社長が務められました。澤上氏は、さわかみ投信の運用の一線から退いているはずですが、まだまだ現役のようなエネルギッシュな話しぶりでした。藤野氏が景気動向を見るときに、「景気ウォッチャー調査」という政府が行っているアンケート調査を参考にしているという話や、株価を追っかけるのではなく企業の価値を見るべきという話が印象に残りました。モデレーターの辻社長が、2人の大物を相手に奮闘している姿もほほえましく映りました。