社会保障審議会年金部会(第2回)を傍聴しました

昨日(6月22日)に、社会保障審議会年金部会(第2回)を傍聴してきました。

資料は厚労省の以下のサイトで公表されています。

www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212815.html

各委員の先生方から意見が出されましたが、その中で、複数の方が指摘していたことと、私の印象に残ったことをまとめると以下のようになります。

  • 来年に予定されている5年に1度の財政検証に向かって、年金制度に関する財政や改革の内容について一般の国民に分かりやすい形での情報発信が必要。
  • 財政検証は今後100年の予測ではなく、ある経済前提に基づいて得られるデータの年金財政への投影であることを理解する必要がある。
  • 将来の社会保障費を論じるときには、名目値ではなく、ミクロでは所得代替率、マクロでは対GDPの実質額で見る必要がある。
  • 基礎年金に対してマクロ経済スライドによる抑制が効きすぎるため、所得代替率の低下の度合いが低所得者程大きくなるのは問題ではないか。
  • 適用拡大について、被用者全員を被保険者とするべき。

5番目の適用拡大にについては、私も賛成です。政府の「骨太の方針2018」にも、勤労者皆保険制度の検討が盛り込まれました。適用拡大は、年金の給付水準を上げるだけでなく、基礎年金の財政にもプラスの効果をもたらすので、一粒で2度おいしい施策です。また、企業経営者が社会保険の対象とならない短時間労働者(パート)を優先的に雇用するインセンティブもなくなるので、正社員の雇用が増える効果も期待できます。経済界からは、反対の声が上がりそうですが、これが結果として消費を増やす策であることを理解して欲しいと思います。

 

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