日経平均21年3か月ぶりの高値??
今日10月24日も日経平均は上昇し、10月に入って負けなしの16連勝、いや、16連騰となりました。もう、こうなったら双葉山の69連勝を超えて欲しいものです、、、、、という冗談はさておき、今月の上昇は株や投信をいくらかでも保有している私も嬉しいのですが、16連騰と併せて報じられる「1996年7月以来、21年3か月ぶりの高値」ということに関しては、苦々しく感じるところがあります。
なぜなら、日経平均は2000年4月を境に連続性が失われており、この前後の指数を比較することはできないからです。理由は以下の日経平均株価に関するWikiの引用をご覧ください
[日経平均株価に関するWikiより]
2000年4月24日に、この問題を正すため、採用銘柄を30銘柄入れ替えた。この際に、発表から実施までタイムラグが1週間あり、除外30銘柄が売り浴びせられる一方、新採用30銘柄が買い込まれて高騰した後に指数採用となったため、大きな不連続性が発生した。しかも、この時に除外される銘柄の多くは低位株、新採用の銘柄の多くは値がさ株だった。
そのため、現物株を買い付ける日経平均連動型投資信託は、除外銘柄を売却しただけでは資金が足りず、新採用銘柄を買い付けることができなかった。この追加資金捻出のためには、全銘柄を等株売却して買付資金の差額分を捻出する必要があった。これらの動きが複合した結果、最終的に日経平均株価は「銘柄入れ替え」が原因で、約15%も指数が下落してしまった。
当時の大蔵省や経済白書では、これをもって日経平均株価の不連続性を認めている。以上の経緯のために、入れ替え以前の数字との単純な比較ができなくなっている。この反省から、2001年以降は、毎年9月から10月に日経平均株価の構成銘柄の定期入れ替えを行うようになっている。[引用終わり]
引用の冒頭にある「この問題」とは、指数を構成する銘柄の比率が、いわゆるオールドエコノミーの銘柄が高く、ハイテク銘柄の比率が低かったので、市場全体の感覚とのズレが生じてきたことです。
それにしても、いきなり30銘柄を入れ替えるという暴挙を、発表から1週間の期間をおいて行ったために、証券会社の自己売買部門などの餌食になったのです。彼らは、この1週間で年間の収益目標を達成することができました。そして、その代わりに日経平均連動の運用を行っていた投資家は、15%分の指数下落による損失を被ったのです。これは明らかに、構成銘柄の入れ替えを決定した日本経済新聞社の過失であり、裁判沙汰にならないどころか、世間から大した批判も受けずにいることが不思議でした。
そして今、しゃあしゃあと「21年ぶりの高値」などと報道しているところをみると、「21年前の日経平均と今の日経平均の水準を比べても意味がないんだよ。あなたたち、日本経済新聞社のチョンボが無ければ、日経平均は今より3000円程高いはずだから」と言いたくなるのです。