老後に関する事実と誤解
日経電子版の記事より
老後の備え、いくら必要? 巣鴨と渋谷で聞いてみた : NIKKEI STYLE https://style.nikkei.com/article/DGXMZO24288740V01C17A2000000?channel=DF051020173088
街頭でのインタビューによる調査なので、信頼性が高いとは言えませんが、記事で紹介されているお年寄りや若者のコメントで気になった部分を取り上げてみました。
- 60代男性・・・「夫婦で月20万円でやりくりしている」
生活費の額は人それぞれですが、一般的には、ゆとりある生活では35万円、標準的な生活で27万円などと言われています。しかし、この男性のコメントを見ると、20万円でもなんとかやっていけそうだし、年金で十分賄えそうです。また、この男性が「健康に気を付ければ、あと20年暮らしていける」という部分も大事です。そう、健康第一です。 - 渋谷の若者・・・「将来年金がもらえるかわからない」
この若者はどこで、このような誤った知識を得たのでしょう?これから将来の年金は、少子高齢化や平均寿命が伸びによって、一定の減額は見込まれていますが、もらえなくなることはあり得ません。政府の見通しによると、年金の所得代替率(現役時代の収入に対する年金の比率)は現時点の60%程度から、将来は50%程度に低下するということになっていて、詳細なデータが公表されています。そういったデータを見ずに、政府の言うことはあてにならないと決めつけることには疑問があります。年金財政の見通しについては、また機会があったらお話ししたいと思います。
- 渋谷の若者・・・「日経平均先物で投資をはじめた」
日経平均先物は投資ではありません。若い皆さんには、下記の運用会社のセミナーに参加して、投資とは何かということを学んでほしいと思います。投資を始めることに必要なのは、難しい理論やテクニックを学ぶことではありません。投資とは何かという哲学を理解することです。レオスキャピタルワークス(ひふみ投信)
https://www.rheos.jp/seminar/
鎌倉投信
http://www.kamakuraim.jp/events/
さわかみ投信
https://www.sawakami.co.jp/see/seminar/ - 投信運用会社・・・「老後の生活費は年間400万円」
1か月あたりの生活費が33万円ですか、、、最初の60歳男性のコメントと比べても多すぎると思います。「一例」と断っていますが、それにしても高すぎる数字を使って説明するのは、必要以上に生活者の不安をあおることになり、個人的には良いとは思えません。
やはり、いま現役世代の皆さんは、老後のことを不安に感じている方が多いと思います。そんな皆さんに、サッカー界のレジェンド、中田英寿さんがちょっと前に放映されていたCMで言っていた言葉を贈ります。
「世の中で無駄だと思うことー分からないことを心配すること。何十年先のことを心配するより、今を精一杯頑張る。」