先進医療保険について

日経電子版の記事より

(クローズアップ)先進医療費 保険会社が直接支払い 加入者の https://www.nikkei.com/article/DGKKZO22981440R01C17A1PPE000/

この記事では、せっかく先進医療特約に入っていたのに、立て替えるお金がなかったために先進医療を受けられないという事態を避けるために、保険会社が直接支払ってくれる制度について紹介されています。

しかし、そもそも先進医療の特約って必要なのでしょうか。厚生労働省が公表しているデータによると、

  • 現在、先進医療の対象となっている診療は104種類。
  • その中で、金額が大きく、実施件数が多いものは、記事でも紹介されている陽子線治療と重粒子線治療である。両者合わせた年間の実施件数は3800件程で、1件あたりの費用は3百万程度である。

年間のがん罹患者数は100万人程なので、がんにかかった人の1000人中4人が上記の先進医療を受けていることになります。確率的には非常に小さいのですが、そのような事実は伝えずに、医療保険やがん保険のセールスポイントとして一般生活者にアピールするのは、どうなんでしょうか。先日のブログで述べた、金融庁の金融レポートで指摘されている、がん保険における情報提供の問題と同じようなことではないかと思います。

この特約自体は、毎月100円で万一の場合には300万円の給付を受けられるものなので、いいと思うのですが、この特約のために、わりの良くない医療保険やがん保険に加入することには疑問があります。どうしても、先進医療の保障が必要という方は、特約ではなく単独の保険として販売されている、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命「リンククロスコインズ」という保険も検討してみてはいかがでしょうか。保険料は月500円と特約より高くなりますが、余計な医療保険やがん保険に入る必要が無いということであれば、検討に値すると思います。

あと、陽子線治療や重粒子線治療の実施件数が、がんの罹患者数に対して非常に小さいのは何故でしょうか。もし、これが患者さんの経済的理由によるならば、先進医療特約や保険の必要性は高まるでしょう。ここら辺の事情に関する情報も、保険会社にはもっと提供してほしいものです。

 

 

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