藤野英人氏のセミナーに行ってきました

昨日(11月21日)、ひふみ投信でおなじみのレオスキャピタルワークス社長の藤野英人氏のセミナーに行ってきました。

藤野氏の講演は、以前紹介した「お金のEXPO」やその他のイベントで2回ほど聞かせて頂く機会がありました。これらは、いずれも無料のセミナーでしたが、今回は慶應丸の内シティキャンパスが主催する夕学五十講というセミナーで、5千円を払っての参加です。お金を払ってまで参加したのは、このセミナーでは質疑応答の時間が30分設けられており、そこで藤野氏に質問したいことがあったからです。

セミナーは、丸ビル7階にあるセミナールームで開催され、大学の講義室のように階段状になっている部屋は300人ほどの参加者で満席、かつ全国各地に設けられたサテライト会場にも映像が配信されていたようです。結局30分の質疑応答時間も十分ではなく、私も予定していた質問はできませんでした。藤野氏の講演の内容は、以前に参加したセミナーやレオスのホームページで配信されている動画で見聞きした内容と重複している部分も多かったのですが、汗をふきながら「投資の本質」について熱弁する藤野氏の熱い講演を、最前列の席で聞けたことは良かったと思いました。

「お金のEXPO」のブログで紹介した以外のことで、印象に残った点は以下のとおりです。

  • 藤野氏の母親のエピソード
    講演の冒頭で、藤野氏のお母さまに関する話がありました。女性下着メーカーのワコールで働いていたそうで、ブラジャーのトップセールスだったそうです。母親が楽しそうに、一生懸命働く姿は、藤野氏の労働に関する考え方の基礎になっているようです。
  • ファンドマネージャーとは
    ファンドマネージャーという仕事を説明する時に、身近な例として私たちの公的年金を運用している人(GPIFの事でしょう)を取り上げ、株価が上がれば私たちの年金資産も増えるんですよというお話をされていました。この話の意図は、最近の株価上昇にも関わらず生活が良くなっているという実感がわかない、という庶民の声(を報道するメディア)に対する反論のように聞こえました。ただ、公的年金の積立金が、GPIFのファンドマネージャーによって株式や債券で運用されていることは事実ですが、運用成績によって公的年金の給付額が直接的に上下するものではない(要するに公的年金は積立方式ではなく賦課方式である)、という点は誤解の無いようにしてください。
  • 日本人のタンス預金は43兆円!
    日本人のタンス預金が約43兆円もあるということが紹介されていました。このタンス預金はタンスに隠しておくものだけでなく、壺に入れて庭に埋めているお金も結構あるそうです。金庫に入れなければ危ないじゃないかと思いますが、金庫は隠す場所としては適当ではないということです。つまり、日本の高齢者の中には、税務署や自分の子、孫にお金の在処を知られたくないという人が相当数いるということです。最近聞いた相続に関するセミナーでは、子や孫に資産を残さず、夫婦で使ってしまいたいと思っている方が結構いらっしゃるという話がありました。そのようなご夫婦の気持ちを尊重する必要はあると思いますが、税務署から逃れるために隠しているという動機は正当なものではありません。藤野氏は、インドみたいに高額紙幣を廃止すればどうでしょう、と冗談交じりにおっしゃっていました。
  • 「ありがとう」も投資です
    これは前のブログでも書きましたが、非常にいいことだと思うのでもう一度書かせてもらいます。藤野氏が今の社会で問題だと思っていることは、「ブラック消費者」の存在です。コンビニでなにも言わずに投げるようにお金を渡す人や、お店でちょっとした不手際があると店員に対して罵声を浴びせる人など、ブラック消費者のせいで、働くことが楽しくないと感じる人が日本では多いということです。働くことが楽しくない→会社が嫌い→会社に投資することが嫌い、という悪循環が起きているというのです。この悪循環を止めるには、私たちが客としてサービスを受けたら、店員さんに「ありがとう」を言おうと、藤野氏は提唱していました。そうすれば、働くことが楽しくなる→会社が好きになる→会社に投資することが好きになる、とういう好循環が生まれるということです。最近のニュースでも、労働組合が厚労省に、悪質なクレーマーに対する対策を要請したと報じられていました。「ありがとう」の投資の輪が広がり、日本全体がもっと明るく、前向きになれるようになるといいですね。

他にも伸びる会社の見分け方等、おもしろいお話もありましたが、またの機会に書くことにします。

 

 

 

 

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